能楽普及に古典芸能保存とマーケティング

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 赤穂市文化会館で21日(土)「国立能楽堂による 初心者・親子のための講座 」が開催されます。
先だって、20日(金)夕食懇親会に出席しました。
場所は赤穂市坂越の民家。元料理長さんの手の込んだ手料理がふるまわれました。

 出席者はシテ方)寺澤 幸祐師<囃子方> 笛:竹市 学師/小鼓:久田 陽春子師/大鼓:森山 泰幸師/太鼓:加藤 洋輝師と専門家を西田氏と二人締めできる企画なので、大いに語ることが出来ました。

  国立能楽堂の課長と企画部門の若手も参加しており、話題は四方八方に飛びます。

 寺沢師には稽古を付けて頂く予定だったのですが、諸般の事情で叶わず、京都のS師の教えを受けていることを報告しました。謡い方に対する両師の考え方は細部で異なります。今後生かせれば、と感じました。
  発声法、ノリ、節回しそれぞれ考え方の違いが意外に大きく、黙って二人の師について稽古を受けた場合の混乱振りを想像しまた。
  最近見た「弱法師」で、俊徳丸にツレが出演しないケースについて解説して頂きました。「四天王寺の日想観を考えると、ツレ不在では仏教上も矛盾点がある」、と。詞章を例に挙げられ解説頂きました。

 最後にいつもの課題である能楽普及問題です。
  ・国立能楽堂は現在、観客の入りはほぼ満員で、問題無いが、能楽師主催の各定期能は稽古人数 減の影響もあり、支援策に悩んでいるそうです。歌舞伎のように、束ねる組織「松竹」に当たる組織が無いことも一因とか。
  ・学生能楽クラブに囃子方研修生が協力し、手軽に演能が楽しめる環境作り。
  (合唱で舞台に立つ喜び以上に能舞台なら感激するでしょう)
  ・30~40才台が舞台に関心を持てる様に、同年齢層能楽師の活躍の場作り。
  (今月の京都観世会館報にも観客高齢化が挙げられてましたが、出演者は60才以上が多いのですから)
  ・謡曲の稽古をする様々な要望、即ち「声を出す喜びで十分」「場合によっては師範レベル」に対応
できるカリキュラムの提案。
  (野球をする若者の大半は甲子園も、ましてプロ選手も無縁で楽しんでいます。)
  ・能楽に関心のある教育委員会や小学校に鼓や笛の常備。
  (流儀による差異、メンテの難しさを指摘されましたが、動画で指導できますし、メンテも楽しさに繋がるでしょう)

    大勢の能楽師と鉄面皮でお話し、赤面の至りでしたが、こんな機会は滅多にありません。井戸端会議を終わります。