老後破産と生涯学習

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 先週、クリニックで「老後破産」の書籍を借りました。そこの医師や患者からの寄贈本が貸し出しされます。突然の生活破綻が両親の介護、失業、病気によって訪れる事例や、都会や田舎で一人暮らしの老人の貧困生活など、淡々と綴られている。NHK取材の力量が伝わってくる秀作で、「老後破産」は社会現象を表す言葉になりました。社会保障制度の不備と、活用方法を知らされない問題が浮かび上がってきます。
 60才過ぎに分かっても遅いとも言えます。それでも、職人的技を有し、ある程度健康であれば、道は開けてるようにも思います。

 一方で、市には老後生活充実のための生涯学習制度があります。今回初めて応募しました。歴史講座の1つを受講することにしました。もともと歴史に関心が無く、文系学部に進学など考えもしなかったのですが、能楽謡曲の稽古を通じて、室町時代、中世に関心が持てることに気付きました。何故、あの時代に「能楽」が生まれたのか?何故、今のような退屈な演出になったのか?など、関心方向は仲間の能楽ファンとは違うようです。この様な趣味活動で、上達すると師匠は、より厳しく指導してくれます。しかし、上達はそれなりに嬉しいのですが、師範になる気も無く、目標でも無い場合、稽古目標が分からなくなってきます。それに、上手になったところで、妻が時折褒めてくれる時に嬉しい程度です。誰の役に立つわけでもありません。しかし、謡いを喜んで聞いてくれる人が例外的に居ます。

 この歴史講座を聴いて、自分で納得して、多少理解したら、誰の役に立つのでしょうか?教養コンプレックス癒やしてくれるほどでもないのです。

 ボランティ活動にも参加してますが、そのリーダーの活動にはいつも感心し、尊敬しています。人を集め、作業を推進するマネジメントにも驚きます。そんなに役立つ目標でも無いのですが、完成すればその姿を一般の人に披露することが出来ます。講座受講と違って主催者側に立てる喜びがあります。
 役に立つとか、意義など問い詰めるのは野暮かも知れないのですが。