楽しい映画を見るだけて満足する時代から体験して楽しめるパターンが望まれると、品田英雄氏は「スターウォーズ」現象から、説明しています。
バッハの時代、教会音楽として人々の暮らしの中に、音楽は存在していたようです。しかし、バッハの作曲能力は、音楽を独立した芸術分野に仕立てあげてしまった、最近の音楽番組で知りました。
たとえて言えば、ヘッドフォンで自分だけで外界を遮断して楽しむ若者の姿です。独立した音楽芸術であれば、それ自体の価値がなければ、存続できないでしょう。その価値創造が、モーツアルト、ベートーベンなどによって発展したことが伺えます。
これは、戦後のクラシック音楽が何故、人々に感動を与えることが出来ないか、と関連しているのではないでしょうか。オリジナリティが生まれにくくなってきたかも知れません。
もう一度、体験型を探る必要があるでしょう。
若者向け音楽界でも、ライブは全盛です。翻って、能楽はどうでしょう。誕生の頃は、観客も能楽師も一体だった思います。それが、演ずる者(能楽師)に委ねた結果、観客は漸減が続きます。能ファンから見ても退屈です。
もう一度観客と能楽師の時空を共に体験できる演出が望まれます。
お菓子も、母親が作るのを見、今か今かと待ち構えていた時代は、将に生活シーンの一部だったでしょう。
「ねるねるねるね」の時代では、兄弟、友人との共有する生活シーンを創っていたかも知れません。第二ベビーブーム世代ですから。