古典芸能と合唱界の顧客

イメージ 1イメージ 2大阪城近くのTWIN21のアトリウム(広場というかホール)で、コーラスめっせが開催され、我が姫路市民合唱団も参加しました。土日の二日間で、43団体でした。フィリピンからも参加が有り、合唱際としては盛り上がったと感じました。「春の電車」(詩:新美南吉、曲:山岸徹)「津和野の風」(詩:安野光雄、曲:森ミドリ)を歌いました。
 我が合唱団の平均年齢は、50才代かも知れません。男性だけだと、60を超えるでしょう。しかし、若い世代の畿内の大学グリークラブのパフォーマンスは健在でした。小中校生も参加し、観客には乳児も混在し、平和な雰囲気を醸し出します。

 一方で、朝日新聞の「ひと」欄に、ブルガリア出身のペトコ・スラボフ氏がタブレット囃子方の邦楽器アプリ開発と、チェコ人のヒーブル・オンジェイ氏が狂言チェコ語狂言を演じて、好評を博した話題が掲載されています。私の師匠も時折海外公演に出かけられます。
 姫路から大阪の会場に向かうバスの中で、女性団員に能の話をしました。ほぼ知識0です。誤解の無いように言いますと、かなり教養豊かな人です。合唱人口が300万人と言われますが、謡曲稽古人員は11万人程度だろう、と言いますと、彼女は「そんなに居るんですか?」と驚きの声でした。「たったそれだけですか?」の返事を期待してましたので、ガッカリでした。
 観阿弥世阿弥の義満の時代から、秀吉、徳川幕府明治維新、第二次大戦後と、能楽は変容し続いています。この地の姫路でも1700~1750頃、能楽禁止令が出るほど流行したようです。しかし、今の能楽は、戦後の決まりを守ることが主で、新演出の挑戦が見られません。
 最早外人に頼る時代になったのでしょうか。いつの世も、顧客を挑発し、楽しませ、感動させ、感情の襞に入っていくことが必要だと思います。キーワードは「美」「恋」と「リズム」だと思います。演出経験は有りませんが、挑戦してみたいですね。